グリニッジ・ビレッジ ストリート編

歴史ある古い建物とダウンタウンらしい小さなストリートが美しい街並みをつくりだしているグリニッジ・ヴィレッジ。芸術と文化の香り漂う「ヴィレッジ」の魅力をストリートごとに紹介します。

こんにちは、ニューヨークナビです。グリニッジ・ヴィレッジといえば、ニューヨークの中でも1、2を争うおしゃれなエリアです。レンガ造りの味わいのある建物に、小さなお店やレストランが並ぶ街並みは、観光客だけでなくニューヨーカーにとっても憧れの存在です。今日はこのエリアの魅力を、「ヴィレッジ」の特徴である小さな細かく入りくんだストリートを手がかりに紹介します。

「ヴィレッジ」の街のつくりと特徴

「ヴィレッジ」の最大の特徴は、ミッドタウンやアップタウンにあるような、マンハッタンの典型的なグリッド(碁盤の目)状の街のつくりとは異なり、小さく細かいストリートからなっていることです。これは19世紀以降に都市計画が始まる前から、住宅地が形成されていたためで、今でもその建物や通りはニューヨークの歴史をあらわすものとして大切に残されています。その風情ある街並みは、20世紀に入ると多くの文化人やアーティストたちに愛されるようになり、文学、芸術、音楽、演劇など豊かな文化が花開きました。またその流れをくんで、60年代後半には同性愛運動の発祥の地となり、現在でもゲイカルチャーの中心として有名なエリアでもあります。今日は、とくに細かいストリートが入りくんだ6thアヴェニューから西側のエリアを中心に、「ヴィレッジ」の魅力にせまります。

グローブ・ストリート

グリニッジ・ヴィレッジには、「ヴィレッジ」と言われるように趣きのある小さなストリートがたくさんあります。とくに6thアヴェニューから西側、クリストファー・ストリートより南側のシェリダン・スクエアという交差点を中心として、小さく曲がりくねった小路のようなストリートがたくさんのびています。まず、そのシェリダン・スクエアから直接つながっている通りとして、グローブ・ストリートがあります。ゆるやかなカーブを描く短いストリートに、つたの絡まる古く美しいレンガ造りの家の連なりはとてもロマンティックで、「ヴィレッジ」の風景を代表するようなエリアです。また通りには、19世紀半ばに建てられた、中庭に6軒のタウンハウスが並ぶグローブ・コートという住宅群がありますが、これは作家O・ヘンリーの『最後の一葉』の舞台になった場所で、そのことも納得できる美しさです。
カーブした道

カーブした道

つたの絡まる壁

つたの絡まる壁

グローブ・コート

グローブ・コート

タウンハウスの玄関

タウンハウスの玄関

ベッドフォード・ストリート

グローブ・ストリートの周辺には、バロウ・ストリート、モートン・ストリートなど曲がりくねった小路のようなストリートがいくつもありますが、それらを横切っているのがベッドフォード・ストリートです。ベッドフォード・ストリートも古い歴史を持つ趣きのある建物が並ぶ通りですが、とりわけ有名な建築物が多く、シャッターを切る観光客が絶えないエリアです。「ヴィレッジ」で最も古いとされるアイザック・ヘンドリックスの家、ニューヨークで最も間口の狭い家として、またフェミニスト詩人でチェリー・レーン・シアターの設立者の一人エドナ・セント・ヴィンセント・ミレーが住んでいたとされる75 1/2 ベッドフォード・ストリート、数多くのアーティストや作家たちが集ったといわれるユニークなデザインの家ツイン・ピークスなどがこのストリートにあります。
赤いレンガの壁

赤いレンガの壁

ランドマークになってる家

ランドマークになってる家

アイザック・ヘンドリックスの家

アイザック・ヘンドリックスの家

ツイン・ピークス

ツイン・ピークス

セント・ルークス・プレイス

ニューヨークの街が舞台になる映画は数多くありますが、このエリアにもオードリー・ヘップバーン主演の『暗くなるまで待って』という映画のロケ地に使われたストリートがあります。それはセント・ルークス・プレイスという名前の7thアヴェニューとハドソン・ストリートを結ぶ通りで、1850年代以降建てられた優雅な雰囲気にあふれた住宅が15軒並んでいます。ドアの部分のアーチ型の装飾や玄関につづく階段を持、荘厳かつクラシカルな佇まいは、実際に多くの作家や芸術家をひきつけてきました。この通りに住んだ著名人の一人に、1926年から1932年まで任期をつとめたニューヨーク市長ジミー・ウォーカーがいて、セント・ルークス・プレイスの向かいにある公園は彼の名前がつけられています。
レンガと木のドア

レンガと木のドア

アーチ型の玄関

アーチ型の玄関

玄関の階段

玄関の階段

ランプとつた

ランプとつた

クリストファー・ストリート

最後に、「ヴィレッジ」を散策するのに欠かせないストリートとして、クリストファー・ストリートがあります。グリニッジ・ストリートからハドソン・ストリートまでつづき、ニューヨークのゲイ/レズビアン文化の中心であるストリートです。1969年同性愛解放運動の発端とされる暴動の舞台となったストーン・ウォール・インもこの通りに今でも残されており、ゲイコミュニティをあらわすレインボーフラッグがあちこちにはためき、クラブやバー、アダルトショップが軒を連ねるにぎやかなストリートです。またオフ・ブロードウェイの老舗の劇場、ルシール・ローテル・シアターもこの通りにあります。
にぎやかなストリート

にぎやかなストリート

フリーペーパー

フリーペーパー

ストーンウォール・イン

ストーンウォール・イン

ルシール・ローテル・シアター

ルシール・ローテル・シアター


ダウンタウンらしく小さく細かいストリートがまるでパッチワークのように貼り付けられたような「ヴィレッジ」の街並みは、歴史地区として大切に保存され現在でも多くの人を魅了し続けています。一度足を踏み入れれば、古く趣きのある通りと建物に魅了され、きっとロマンティックな気分に浸れるでしょう。「ヴィレッジ」を散策しながら、ニューヨークの歴史に思いをはせてみてはいかがでしょうか。以上ニューヨークナビでした。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2012-05-09

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