ぜひご一読ください。
●年末年始の旅行時における安全対策
本年も年の瀬が迫り、年末年始に海外旅行を計画されている方も多いと思います。旅行先によっては、治安情勢が良くない国・地域もあります。
皆さまにおかれては、既に十分な安全対策を取っておられると思われますが、出発前の準備段階で以下の点についても今一度ご留意の上、安全で快適なご旅行を過ごしていただければと思います。
○現地治安状況等を確認しておきましょう
外務省海外安全ホームページでは、各国毎に安全対策上に必要となる情報や海外における感染症情報を掲載しています。旅行前には、旅行先に危険情報が発出されているか確認することをお勧めします。
○現地緊急連絡先・緊急避難先を確認しておきましょう
事件事故に巻き込まれた場合、米国であれば「911」、日本であれば「110(警察)」または「119(消防・救急)」に連絡することは知っているでしょうが、旅行先での警察や消防等の緊急連絡先はご存じですか。
知らない場合は、万一に備え、旅行先の緊急連絡先を確認しておきましよう。また、事件事故に遭遇した場合に助けを求められる場所(警察、医療機関、現地日本大使館・総領事館等)の連絡先、宿泊先等との位置関係を確認することをお勧めします。
○スマートフォンや携帯電話の紛失に備えましょう
旅行先で普段使っているスマートフォンや携帯電話が無くなると、家族、友人の電話番号が分からなくなったり、スマートフォンの場合は、電子メール、地図機能やスケジュール表も見られなくなります。
紛失やスリ等の盗難被害は起こりえるものと考え、万一に備え、主要な連絡先が書かれた電話帳(可能であれば予備の携帯電話に登録しておく)や手帳、地図等を紙媒体でお持ちになることをお勧めします。
○身分証明書のコピーはいつも携帯しましょう
旅行先でホテル周辺を散策する時、あまり貴重品を持って出ないと思います。但し、何も持っていないと急に意識を失って倒れたり、事故に遭った場合、救急隊員や搬送先の病院は患者が誰なのか特定することができません。
そうすると患者の関係者に連絡が取れず、緊急手術が必要であっても関係者の同意が取れず、処置が遅れてしまうことがあるかもしれません。また、パスポートを紛失してしまったら、自分が誰であるかを証明できなくなりますし、パスポートにあるビザや出入国歴も分からなくなってしまいます。
このようなことを避けるためにも、パスポート等の大事な身分証明書は必ず数枚のコピーを取っておき、そのうちの1枚は必ず所持して出かけるようにしましょう。
○空港からの移動手段は十分調べておきましょう
旅行先の空港に到着してからの移動手段は、電車、シャトルバス、タクシー等々、様々な方法があります。
当館では、ニューヨークにおいて無許可営業のタクシーに乗車して法外な料金を請求される日本人旅行者から相談を受けることがありますが、被害に遭われた方は、移動手段について無計画だった方や当初予定していた移動手段を変えた方(元々は電車での移動を計画)が多い傾向にあります。
旅行の始まりに嫌な思いをしないためにも、空港からの移動手段については、料金や所要時間等を調べて決めておき、よほどのことがない限り移動方法を変更しないようにしましょう。
また、旅行先によっては、空港タクシーも危険なところがあります。その場合には、ハイヤー(リムジン)や運転手付きレンタカーを手配する方がより安全ですが、出発前に運転手の名前、連絡先、待ち合わせ場所等の情報を手配会社から入手するようにしましょう。
○旅行予定と現地連絡先を家族や友人に伝えておきましょう
外国で大きな事件事故が発生し、ニュースで大きく報じられると、貴方がその国・地域に滞在していることを知っている家族や友人は安否をとても心配します。
昨年、当地を襲ったハリケーン「サンディ」の際も日本国内の家族から「子供が米国を旅行しているが安否を確認したい」との照会がいくつかありました。
このような照会を受けても具体的な旅行予定(宿泊先等)や現地連絡先が分からないと、在外公館では安否確認を行うことはできません。旅行に出発する前には必ず旅行予定や現地連絡先を家族や信頼できる友人に伝えておきましょう。
但し、ソーシャルネットワークサービスなど不特定の人が見られる環境に旅行予定等を掲載することは、予期せぬトラブル(振り込め詐欺等)を引き起こす可能性もありますので避けてください。
また、治安状況の良くない国・地域に行かれる場合には、予め定時連絡を行うことを決めておくのも一案だと思います。
●最近相談を受けた詐欺疑い事案(注意喚起)
当館では日々様々な相談を受けておりますが、最近、詐欺の可能性が高いと思われる事案の相談が複数寄せられました。
本年8月に配信した本メールマガジン3号でも詐欺被害について注意喚起しましたが、以下の3事例を新たに紹介しますので、今後、皆さまがこのような事例に接した場合には、くれぐれも被害に遭われないよう十分ご注意ください。
○インターネットオークションでのトラブル
(事案概要)
在留邦人Aさんは、インターネットオークションサイトに家電製品を出品した。出品後、まもなくして買い手B氏が現れ、代金の支払いとしてマネーオーダーが送られてきた。
しかし、マネーオーダーの金額が落札額よりも高額だったため、AさんがB氏に連絡したところ、「間違ったマネーオーダーを送付してしまったので、差額分をマネーオーダーで送り返して欲しい」と言われ、Aさんはそのマネーオーダーを一旦自分の口座に入金して、差額分のマネーオーダーをB氏宛に送った。
(結果)
後日、Aさんが銀行に確認したところ、先日現金化したマネーオーダーは偽造であることが判明したため、一旦入金されたものの取引きは無効となり、また、Aさんの口座は不正利用を疑われ凍結されてしまった。
○英国に所在する銀行からの資産相続に関する手紙
(事案概要)
在留邦人Cさん宛てに身に覚えのない英国に所在する銀行から手紙が届いた。内容はCさんと同姓の邦人男性D氏がこの銀行に口座を有しているが、旅行先のミャンマーで死亡したため、多額の資産(約48億円)の相続手続きを行っているというもの。
銀行側は当初、近親者であるD氏の子息E氏に相続しようとしたが、親族関係の立証ができなかったため、別の相続者として、遠縁であるが同姓のCさんがノミネートされたので、銀行に連絡してほしいと記されていた。
(結果)
Cさんは、D氏という親族はいないし、また、手紙の内容に不審を覚えたので、一切応じず、総領事館に連絡した。
○海外旅行中の友人からの支援要請
(事案概要)
在留邦人Fさんに、友人のG氏(を語った者)から1通の電子メールが届いた。内容は、旅行先のウクライナで強盗被害に遭ってしまい、現金やクレジットカードなどの貴重品を奪われてしまったので、ホテル代金などの旅行経費を(銀行口座などが不要な送金方法で)海外送金して欲しいとの依頼があった。
Fさんは、友人の一大事だと思い、指定された方法で1、500ドルを送金した。
(結果)
送金した後に、G氏(を語った者)から電子メールが届き、ウクライナでのドル換金率が悪いため、更に1、750ドルを送金して欲しいと書かれていたので、疑念をいただき、G氏に電話連絡したところ、G氏はウクライナに旅行していないことが分かった。
今回紹介した事例以外にも様々な詐欺の手口がありますが、被害に遭わないようにするためには、まずは個々人が防犯意識を高く持っている必要があります。
今後も当館が相談を受け付けた事案を随時情報発信していきますので、これらをご参考の上、「おかしい」と思った場合には、当館領事部(邦人援護担当)にご相談ください。
●買い物の後は要注意
12月は歳末商戦もたけなわとなり、皆様の中にも買い物を楽しんでいる方もおられると思います。
買い物に熱中し、気がつけば両手にいっぱいのショッピングバッグを抱えて、防犯がおろそかになることがあります。
スリ犯から見れば、ショッピングバッグで手がふさがれている人はお金をいっぱい持っていて、しかも財布の入ったバッグへの関心が薄れているように見えますので、格好の標的になります。
スリ被害から身を守るにはスキを見せないことが肝心です。スリ犯はスキのありそうな人を見つけると後をつけ、最も気が散っているときに実行に及びます。ですので、スキを見せないようにしましょう。
●年末年始の領事窓口
当館は、本年12月28日(土)から明年1月5日(日)まで休館となります。年明けは旅券、各種証明・届出等の窓口が大変混み合うことが予想されますので、年内のご申請をおすすめします。本年内は、12月23日(月)、24日(火)、26日(木)、27日(金)が開館しています。
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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2013-12-27