ニューヨークの新型コロナウィルスについて:NY州・NY市再開計画について

在ニューヨーク日本国総領事館からのお知らせを抜粋してお届けいたします。

【州政府等による措置等のポイント】
◎(NY州)クオモ知事のメッセージ(4月26日)
- 昨4月25日の総入院者数は1万2819人で13日連続減少,3月31日以来の水準まで減少した。
- 1日の入院者数も,1087人と3月25日以降初めて1200人台を下回っている。但し,死者数は367人と4月で初めて400人を下回ったが依然として高い水準である。
- 社会経済活動の再開の判断について,感染率を監視しつつ,各地域を分析した上で,地域毎に段階的に再開を決定していく。
- 再開戦略としては,第1フェーズは建設業及び製造業(感染リスクの少ないもの)を再開,第2フェーズは各事業の必要不可欠度と感染リスクを判断して事業を再開する。
- 第2フェーズは,第1フェーズの後,少なくとも2週間は開始されない。
- 如何なるフェーズであっても,地域外からの大勢の人を呼ぶイベントやビジネスの再開は認められない。
- 各事業の再開については,各事業者側が感染拡大予防措置を含む再開計画を作り州に提出する。州は,この計画を基に当該ビジネスが必要不可欠なものであるかを判断する。各事業者は,スポーツであれば無観客試合を経済的に成立させる工夫など,クリエイティブなビジネスモデルを構築する必要がある。
- 再開には地域間の連携も重要である。州南部はNJ州・CT州と,州北部の一部はMA州と,州西部はPA州との連携が必要。また,NY市・ウェストチェスター郡・ナッソー郡・サフォーク郡については,特に人口も感染者も多いので問題が残る。
- 対象分野については,交通・公園・学校・ビーチ及びビジネス等を包括的に考慮する。
- 各事業者は,再開に当たり,(1)従業員・顧客の安全性の確保,(2)職場環境の改善,(3)リスクを減らすための取組みを考慮した計画(注)を策定し,新常態(New Normal)に対応していく必要がある。
- 1人の感染者が直接感染させる平均数を表す再生産数(感染率)は,3月は3に近かったが現時点は0.8まで下がった。NY州北部では最大値が2.5を超えていたが現時点では0.9,NY市を含む州南部では約3であったが現時点では0.75まで下がっている。今後は,(1)入院者数,(2)抗体検査の陽性反応数,(3)ウイルス検査の陽性反応数の3つの数字を監視しつつ,社会経済活動の再開を検討する。
- 具体的再開のタイミングについては,NY州は,疾病予防管理センター(CDC)のガイダンス(日毎の入院者数が14日間連続減少していること)を尊重する。
- したがって,ガイダンスに照らせば,予断は許さないが,十分な感染拡大予防措置が取られることを前提にすれば,NY州北部地域のフェーズ1に該当する企業は,5月15日以降に再開できる可能性がある。
- 州南部(NY市,ウェストチェスター郡,ナッソー郡,サフォーク郡)の再開については,人々の行き来が多い隣接州(NJ州・CT州)との連携が必要になるため,状況は最も複雑である。
- (再開された)NYを再び想像するに当たって,我々はより良いNYを再建したい(In reimagining New York, we will build back better.)。

(注)今後,事業再開に当たって必要とされる再開計画の項目一例は以下のとおりです。
- 従業員・顧客の安全性の確保
個人防護具(PPE)の準備,接客の存在,他者との距離の確保,勤務者数,メンタルヘルス等の手当,感染に脆弱な従業員(高齢者)への対応(テレワーク等)
- 職場環境の改善
PPEの準備,消毒措置,オフィスの個々のスペースおける最大人員配置数の設定,オフィススペースの使用頻度,出勤・移動方法等
- リスクを減らすための取組み
仕事場での検査・追跡・隔離手順の確立,研修,感染リスク査定,連絡網の構築,行動規範等

◎(NY市)デブラシオ市長のメッセージ(4月26日)
- 本日は,今後の再開計画についてお伝えしたい。再開とは元の状況に戻るのではなく,賢明な段階を踏んで,より良く公平な市に移行していくことを意味する。そのためには経済を強く回復させることとともに,今次パンデミックで明らかとなった経済格差・人種間格差を埋めていく必要がある。
- 再開のための行程表を6月1日までに策定する。具体的には,大企業,中小企業,ヘルスケア,労働者,芸術・文化・観光,ソーシャルサービス,信仰団体,教育関係者の各セクターについて,セクター毎の影響や特有の問題を分析する諮問委員会を設置し迅速に会合を開催する。
- また,人種間の公平性を確保するために,市長夫人と副市長をヘッドとした市のタスクフォースを立ち上げる。今回の危機を通して,人種間格差の構造的な問題が明確になった。タスクフォースには各コミュニティを代表するリーダーを招いて,特に深刻な被害を受けたヒスパニック系・アフリカ系コミュニティを中心に問題を特定して対処を進める。
- 将来的には,全ての市民が公平に回復していく必要がある。このために,公平な回復に向けたタスクフォース(Fair Recovery Task Force)を立ち上げる。ここには,各界のリーダーが,危機後に強く,安全で,公平な社会経済を築くための議論を進める。

【感染者数等に関する情報】
4月26日現在,当館管轄内における新型コロナウイルスの感染者数及び死者数は以下のとおりです。(カッコ内は前日の数)
○ニューヨーク州:感染者数  288,045名(282,143名),死者数 16,966名(16,599名)
・感染者数内訳(主なエリア)
ニューヨーク市:感染者数  158,258名(155,113名),死者数 11,648名(11,419名)
NY市の内訳
クイーンズ区:      48,745名(47,861名)
ブルックリン区:     42,487名(41,660名)
ブロンクス区:      34,970名(34,183名)
マンハッタン区:     20,773名(20,280名)
スタテン島区:      11,283名(11,129名)

◎当地の病院やクリニックは,完全予約制を導入し,付き添い人数を制限(一人のみ)するなど予防措置をしながら外来を受け付けているところが多い模様です。また,一部の病院では電話診察,オンライン診療(有料)を導入しているところもあるようです。ただし,当地の医療事情については,日々状況が変化しますので,皆様ご自身で病院やクリニックのHPや直接電話するなどして,ご確認くださるようお願いします。

【領事窓口業務日及び受付時間,検温,マスク等の着用について】
◎在ニューヨーク日本国総領事館では,現在,領事窓口の業務日を月・水・金(除,休館日)の週3日とし,受付時間を10時30分-13時(査証申請受付は12時-13時)に短縮しています。なお,電話でのお問い合わせは月曜-金曜まで受け付けております。また,ご来館の際にはマスク着用をお願いするとともに,ご来館時に当館ビル1階受付にて検温(摂氏37.5度以上の場合は入館をお断りしています。)を実施しております。
詳細は以下リンク先をご参照ください。
https://www.ny.us.emb-japan.go.jp/oshirase/2020-03-30.html


上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2020-04-28

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